2006.7.5 06:27
「剛・・・あんたの父さん、パイロットだったんだよ」by あけみ。
どうも、黒岩です。
昨日、スーパーに食料を調達しに行きました。
キットカットを盗もうかと悩んでいると、何処かで見覚えのある女性が子供を連れて買物をしてたんです。
俺の錆び付いたシナプスが働き出す!ギシ、ギシと音をたてながら。
あっ!思い出した!
昔、遊んでいた飲み屋のネーチャンだ!ネーチャンだ!アートネイチャンだ!(まだ調子悪いな)
思い出すのに時間がかかってしまったのは理由があった。
昔は、華やかな洋服にピチピチの肌、芸術とも言えるお化粧!まさに、「美」であった。
それが今では、なんじゃそれ?膝の出たスエットにカッサカサの肌、抜き過ぎで生えてこない眉毛!ヴィトンのバックが買物篭と汚い子供・・・。
そりゃぁ人間は老いていくけど、油断し過ぎじゃぁ〜ないかい?完全にあけみ路線まっしぐらってっ感じだよ!怖いわぁ〜。
しかし俺は、そんな彼女にハマっていたのは事実である。
彼女の働くお店に何度か通い、やっとの事でデートの約束をする。
日曜日の彼女は、照りつける太陽で輝いていた。(昔は)
デートコースは、小樽にドライブしてから映画を見る事に!フッフッ!定番だね!
車の窓から入って来る気持ちの良い風が彼女の髪の毛を「フワッ」っと揺らす。
それと同時に、リンスの良い匂いが俺の鼻を刺激する。
「今夜が山だ!」なんて考えていると突然!ハンドルが効かなくなる!(まだ早いぜ!相棒)
小樽に着いて、昼食をする事にした。
行った先は、「CRUB CLBU」蟹を食べさせる場所である。
これが失敗であった!蟹を食べる時の忙しさで無言の時間が長く続いてしまった!しかも彼女は蟹が大好物だったらしく、蟹を貪り食っている・・・俺も合わせて貪り食う。
お会計は¥17、000痛い!・・・無理してコースにしたからだ(いや!今夜が山だ!)
それから、運河を少し歩いて良い時間になったので、映画を見るために札幌に戻る。
黒岩 「映画、何見たいの?」(カッコつけて)
彼女 「う〜ん・・・踊る大捜査線!」(元気良く)
黒岩 「おっ!いいねぇ〜」(一切興味無し!)
見たくも無い映画の館内に入って、ポップコーンとコーラを買う。気分はもうアダムとイヴ。
席に座って間もなく、映画が上映される。
椅子の肘掛けに触れるか触れないかの彼女との微妙な距離。
映画に集中できるはずが無い!(踊る大捜査線に興味が無いのも合わせ)
上映から1時間を過ぎた頃、俺の体に異変が起きる。
「ゴロゴロ、ゴロゴロ」腹が鳴り出してきた・・・小樽で食べた蟹とコーラの食い合わせが悪かったのか!これはマズイ!。(更に集中出来なくなる)
しばらくは我慢していたが、今度は冷汗が出てくる!もう無理だ!
黒岩 「ちょっとタバコ吸ってくるね!」(冷静を装って)
彼女 「うん!」(うん!に「こ」が付いているように聞こえた)
ダッシュ!ダッシュ!冷汗ダッシュ!チンタラ歩く家族をなぎ倒しレストルームへ!
ズボンを下ろし終えたか終えないかで、「ボーン」セーフ。彼女にウンコをしたのをバレないように早めに菊の門を閉める俺。
何食わぬ顔で彼女の横の席に戻る。
っと!座った瞬間!ウンコ臭が「バサァ〜〜」今度は、違う汗が出てきた。
その日俺は、頭からかぶる薄手のナイキのジャンバーを着ていた!
そう!さっきしたウンコ臭がジャンバーの中に篭っていたのだ!(迂闊だった)
静かに深呼吸する彼女!・・・バレタ・・・タバコを吸いに行くと言って実はウンコをしに行った事が・・・・。
しかし、今更「実はウンコしに行ってたんだ、ンチャ!」等とは口が裂けても言えない。
するとその時、スクリーン上の織田裕司のこの名ゼリフが聞こえてきた。
「事件は、会議室で起こってるんじゃない!現場で起きているんだ!」
今の俺にぴったりのセリフであった。
「事件は、喫煙ルームで起こっているんじゃない!レストルームで起こっていたんだ!」
そんな気まずい空気の中、映画を見終ったのは20時を過ぎていた。さっきの事件も忘れ俺は彼女を夕食に誘った。
黒岩 「どっか、居酒屋でも行く?」
彼女 「実家からお母さん来るんだよね〜ごめんね〜また今度行こう!」
見事なスルーだった!ロナウジーニョも顔負けだ!昼間はそんな事言って無かったのに。
玉砕された、無論!また今度は無かった・・・。
なんで!どうして!ウンコしただけだよ!ちょっと臭いのキツイウンコをしただけだよ!
あんただってするだろ!ぶっといやつを!
そんな思い出が走馬灯のように俺の頭を駆け巡る。
スーパーで偶然見かけた彼女!向こうは俺に気づいていなかった。
イヤッ!もしかしたら気づいていたが、気づいていないふりをしていたのかも。
彼女も変わり果てた今の自分の姿を見られるのは、嫌だったかもね。
おわり。
この長文を最後迄読んで頂き誠にありがとうございました。
この物語は、すべてノンフィクションです。
著者 黒岩孝康