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札幌スーパーギャグメッセンジャーズ

ランチへの道 パート?

2008.2.21 06:37

「すいませ〜ん!あの〜乳首吸わせてもらってもいいですかぁ?」

どうも、黒岩です。

先日、前から気になっていた中央区にあるスープカレー屋に行ってきました。

午後1時いつもよりちょっと遅めのランチ。

扉を開けると、左手に狭いカウンター件厨房、その中には店主が居た。

80年代を思い出させるバンダナを気軽に巻き気だるそうに立っていた。

内装は、喫茶店あとをそのままスープカレー屋にしてしまった贅沢ぶり。札幌にスープカレー屋が次々に出来る競争社会の中にあえて、そこをチョイスする店主のこだわり。

そして店内には、情報社会を意識したAMラジオが静かに流れる。

ランチタイムにもかかわらず、お客は私1人。

お客さんにゆったりとランチを食べてもらおうとする店主の粋な計らいが憎い。

決して広いとは言えない店内の奥にある二人掛けのテーブルに私は腰を降ろした。

ヨーロッパ中世を思わせる椅子は90度になっていて思わず姿勢を正してしまう。

きっとこれも店主の計らいであろう。

そこへ、店主が水を持ってオーダーを取りにやって来た。

「ご注文は?」静かな面持ちで私に問いかけてきた。

「チキンカレーを下さい!あと、ライスは少なめでお願いします。」

無難なチキンカレーを頼んだ。無言で立ち去るニヒルな店主。

カレーを待つ間私は、もう一度店内を見回してみた。

壁には、今となってはあまり目にしなくなった絵が数枚掛けられていた。

私には絵のセンスがまったく無いのでその絵が、どれだけの物かは解らないがきっと素晴らしい絵なんだろう。

厨房から「トントントン」っと食材を切る音が聞こえて来る。

誰が喋っているのか解らないAMラジオと包丁の音が調和する。

ふと、もう一度メニューに目をやった。

私が頼んだチキンカレーは¥950辛さが3番で¥30円この時点で、¥980円・・・今を生き抜く店主の強い生命力が感じられる。

もちろん、ランチサービスなんて無い。これも店主のこだわりなのだから。

その時、狭いホールの方から店主の声が。

「ご飯これくらいでいいかい!?」

「はい!いいです。」

ご飯の量を気軽に確認してくれる。しかもそんな近い所から。

通常であれば、炊飯器は厨房などの見えない所に置いてあるのに、お客の見える所に置き、炊飯器とお米の安全性をさりげなくアピールしている。

ライスとスープが運ばれて来た。

見事な盛り付けだ、チキンを中心に野菜が寄り添っている。

店主のバンダナ姿からは、想像するのは難しい。

スープを飲んでみる。なるほど!盛り付けにこだる理由が分かった。

味では、他店に負けるが盛り付けでは負けない!っとゆう一本柱が立っている考えであろう。

食べていくうちに体の内側から暖まっていく感じがした。

すると、鼻を突く匂いがしてきたので、カウンターの方を見てみると店主が窓の外を眺めながらタバコをふかしていた。

気分は石原裕次郎っと言ったところであろうか。

狭い店内にタバコの煙が充満して、早朝の朝靄を演出するロマンチストな店主。

硬いチキンとスープを飲み干し私はお会計をしようとカウンターに近づく。

心の中で私は、この満腹感だけを残してこの店を後にしたいと思っていた。

「¥980になります。」

千円札を出した瞬間店主は私に問いかけてきた。

「ポイントカードはあります?」

「いえっ!ありません。」

続けて店主が。

「あれ?初めてですか?何で家のお店を知りました?」

精一杯のコミュニケーションに私は。

「前から気になっていたんで!」

店主は、私にポイントカードを手渡しながらこう言った。

「500円につき、ワンポイントで20ポイント溜まったら500円引きだから」

・・・脱サラからこの不景気を乗り越えようと頑張るバンダナ店主。

あなたにお会いする事はもう無いと思いますが、陰ながら応援させていただきます。頑張れ脱サラバンダナ店!!

                    週刊「ランチへの道」編集部 黒岩

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